「食べない心」と「吐く心」―摂食障害から立ち直る女性たち小野瀬 健人
主婦と生活社 刊
発売日 2003-10
回復後期には違和感の出る内容か 2008-05-11
摂食障害の原因が親子関係のせいだと力説しいるこの本ですが、
摂食障害は心だけでなく体の病でもあり、
そもそも実際に自分自身が食に関して決定し、行動したという点を軽視して、食べてしまうのは(もしくは食べられないのは)全て心が原因かのように書いてあるところには違和感を覚えます。
拒食や嘔吐自体による肉体的な要因・メカニズムにも一切触れていないのです。
全ての食衝動の元が家庭環境(特に親子関係)に基づくとするのは、自発的に回復に前向きになったとき精神的に足を引っ張る可能性も感じます。
私自身も家庭は色々でしたが、回復後この本を読み、非常に違和感を感じたのを覚えています。知り合った回復後期の方も「親のせい」に違和感を覚えたそうです。
親のせいから自分次第
人は人、自分は自分
誰も勝手に心をキズ付けられないのに気付く時がいずれ来ると思います。
摂食障害のコミュニティで、親子でせっかく向き合っている方が、
「ある本を読みましたが、私のこの嘔吐はお母さんのせいでしょうか?だとしたら、いつの何が原因でしょうか?あの時でしょうか?それともこっちでしょうか?」
と悩まれている様子を拝見したとき、本末転倒だな、と感じた事もあります。
よく売れている本なので、隅々の考えにまで影響しているのでしょうね。
そうした責任も含め、自ら心を変え立ち向かう大切さと、肉体的な側面を、少し盛り込んで欲しかったです。
本当は摂食障害だけでなく、どんな病でも、回復に家族の支えや愛は欠かせないのです。
この本を読んで、親子だけでなく、色んな人に対する愛情や、素直に気持ちを表現する大切さに気付けるキッカケとなったなら、素晴らしいと感じます。
意外に読まれた方が少ない一冊なんですね。この書籍は。。
結構、評判なのに関わらず意外に読まれていない。
不思議ではありますが、これこそまさに隠された名著たる所以なのでしょう。
「食べない心」と「吐く心」―摂食障害から立ち直る女性たち は真面目な話、すぐにでも読まれることをお薦めします。
経験的にはこういう不思議な境遇の書籍は次第に入手困難になりますから。
「食べない心」と「吐く心」―摂食障害から立ち直る女性たち に関するレビューも少なめですね。
もっともっと多くのレビューが存在していても納得の一冊です。

